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教室に残っている数人の人に手を振り、俺たちは教室を出ようとした。
と、その時、
「ちょっと待ったぁぁぁぁああああああっ!!」
ああああぁぁぁぁぁ────…………。
怒号が響いてきたが、それはほどなくして遠ざかっていった。
「……なんだ?」
「さぁ?」
俺と瀬山は首をかしげながら廊下に顔を出す。
するとそこには、かなり先に横向きのまま固まってる一人の少女がいた。
「…………帰るか」
「そうだな」
俺たちはその少女が誰なのかわかった時点で無視して帰ることにした。
ああいうのには関わらない方がいい。関わるといいことないから。
「って待ってよぉぉぉぉおおおおおっ!!」
『……………………』
呼び止められたので、俺たちは仕方なくその場に止まる。
「普通は何かツッコミをするところじゃないのかな!?」
「いや、するところじゃない」
「っというかしてよっ! 構ってよ! 寂しいじゃん!」
「俺たちには、関係、ない」
「この薄情者─────っ!!」
目の前の彼女────花崎木葉改め委員長は憤慨する。
「ってそんなことよりさ。君たちはお暇かい?」
「いや、今から夏菜を愛でるから暇じゃない」
「暇なんだね? じゃぁちょっと来てもらえるかな」
「……………」
暇じゃないと言うとるだろうが。
しかし、委員長はそんなこと無視して俺たちの腕を引っ張ってどこかへ連れていこうとした。
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