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○ ○
「ほらほら蒼井くーん! もっと声出してこー!」
「………………」
なぜだ。
どうしてこうなった。
「そこで入れて入れて! ほら早くしないといっちゃうよ!?」
「だぁぁあっ! うっせぇんだよ!」
ちなみに、俺が今立っているのはバスケットコートのゴール下。
手にはバスケットボール。
もう一度言おうか。
…………どうしてこうなった。
「何でこんなことになってるんだよ……」
俺はとりあえずボールをシュートして呟いた。
すると、瀬山が近づいてくる。
「そりゃそこにバスケットボールがあるからだろ」
「意味わからんわ。帰れ」
「嫌だね。お前が帰れ」
「断る。第一、俺もお前もこの状況で帰ったらあとでどんな目に遭うか……」
少なくとも花崎木葉女史がぶちギレて暗殺を目論むだろう。
「まぁ帰る帰らないの話はこの際置いておこう。何でバスケ部に俺たちはいるんだ?」
コートから一旦出て、俺は最もな疑問を瀬山に聞いた。
「そこにバスケットボールが────」
「散れ」
「ごめんなさい」
……まぁ何でいるかなんて委員長の成り行きなんだろうな。
隣のコートで活き活きと練習してるし。
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