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「──ありがとうございましたー。ようしっ! 次行くよ、二人ともっ!」
『次!?』
小一時間ほどバスケ部で青春の汗を流し着替えていると、後ろから元気よくそう言われた。
いやいや、次って? え、何? まだお家に帰れないの?
「次は陸上部だぁーっ! ほれほれ早く~」
「や、ちょっ待っ! いやぁぁぁぁあああああっ!!」
結局、抵抗もできないまま俺と瀬山はグランドに連れていかれたのだった。
その後、なぜか陸上部の人たちに気に入られ、委員長と共に6時まで走らされ続けた。
「──もう無理。一週間分の体力がなくなった…」
「ありゃ、それは大変だねー」
「誰のせいだ、誰の!」
「強いて言うなら今まで鍛えなかった自分のせいじゃないかな」
「そうだよ。何で俺は今まで体を鍛えて────って違ぇよっ!! お前のせいだよ!」
「やだなぁ。私なにもしてないヨー」
「無理矢理バスケ部と陸部に連れてきたのは誰だよ……。お前だろ」
「えー。でも体動かせたし、暇も潰せて一石二鳥だったでしょ? しかも私も楽しめた。良いことづくしで木葉ちゃん大満足っ。うんうん」
「……………」
げんなりする俺の横で、委員長はよくわからないことを言いながら一人相づちを打っていた。
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