始まりはシャイニングウィザードから!

17/24
前へ
/31ページ
次へ
……まぁいいや。 「それより、呼び方結局それになったんだな」 俺は教室に入って、委員長と一緒に自分の席に向かって歩く。 確か昨日は違った呼び方だった気がする。 「あ、うん。いやー、改めて考えてみたら『ゆきっち』って可愛すぎるかなって思ってね~」 「それで幸人殿か……」 「一番しっくりきたしねぇ」 「まぁ、だったらいいんじゃないか?」 再びすぐに反応できるかわからなくなったが。 俺はカバンを机の横にかける。 「そういえばさ、幸人殿と瀬山くんは知り合いなの? いつも一緒にいるけど」 「あぁ……。あいつはただの腐れ縁だ。小学校ん時からのな」 「ほぇー。すごいねぇ」 「実際すごかねぇよ。さすがに九年間も一緒だと面倒だぞ」 実際これだけ長い時間一緒にいると、お互いに性格から癖、苦手な話までわかるようになってくる。 正直めんどくさい。あいつは同じ話しかしてこないし、こっちは弄るしかない。もう本当にめんどくさい。 「でも一緒にいるよね。それってやっぱり、二人ともお互いを思ってるからだと思うよ」 委員長はそう言って遠くを眺めるように見た。 どこを見ているのかはわからないが、遠くを見ている委員長はどこか悲しそうだった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加