始まりはシャイニングウィザードから!

18/24
前へ
/31ページ
次へ
「…………私は…そういう人に……なれなかったから……」 「ん? 何か言ったか?」 「ううん。幸人殿には関係ないよ~」 そう言いながら、委員長は無理な笑顔を作って、自分の席に戻っていってしまった。 ……なんだったんだ? 今のは。 それから今日の授業の間、俺の頭にはその疑問で一杯だった。     ○ ○ 「蒼井さーん。少しいいですか?」 放課後。 気がつくと朝の疑問はどこかに行ってしまったようで、俺の気は先生の呼び出しの方に向いていた。 「なんです?」 「いえ、大した用ではないんです。少し早いんですけど、体育祭のことで話があるんです」 「あー…確か球技大会と一緒になってるやつですよね」 この学園の行事はそれぞれ普通のそれと規模が違う。 その一つの体育祭は、球技大会と体育祭の二つが二日間に渡って平行して行われ、毎年盛大に盛り上がるらしい。 「はい。蒼井さんはクラス代表なので、前もって概要は把握していただこうと思いまして」 「あ、はい。わかりました」 「そうですねぇ…。ここで話すには少し長くなりそうなので移動しましょう」 先生はそう提案して教壇を下りる。 荷物は……まぁまた戻ってくればいいか。 俺はそう判断し、手ぶらで教室を出ていく先生の後ろを追いかけた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加