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私立藍ヶ咲学園。
学力は中の中。就職率、進学率共に五分五分のただの私立校だ。
ただ一つだけ、他の私立校と違うところがあり、それは理事長さんが大金持ちで、学園を経済的援助を行っていること。
そりゃもう莫大な額の援助らしい。
そういうわけもあり、生徒や家庭が悩むであろう学費は公立のそれと大差はない。
一言で言うと安いのだ。一般の私立校と比べて。
しかし、安いからと言って設備の面を削っているわけでもない。むしろ設備はとてもいいくらいだ。
さすがは理事長様。
とまぁ、そんな設備もいい入るのは安いということで、この地域では有名な学校でもあるのが、この藍ヶ咲学園。
「オーイ、幸人ー」
ちなみに、今年の入学者は前年に比べて少しばかり多いみたいだ。
確か260人くらいだったかな。
「蒼井幸人ー。ゆーきーとー? 聞こえてるかー?」
あー、早く帰って夏菜に会いたいなー。
「ダメか…。なら───」
クラスは四組がいいな。じゃなかったら三組か。とりあえずそこら辺が────
「うぉぉぉおおおいっ!! 幸───」
「うるせぇんだよっ!! そんなに叫ばなくても聞こえるわ!!」
「じゃぁ聞けよな!?」
「知らん。そして腐れ」
俺はウザったく絡んでくるこいつを無視して学校に向かった。
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