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まだ夏休み前だというのにこの暑さは異常に感じる。じっとしてるだけでも汗がにじんでくるほどだ。それに加え、蝉の声が暑苦しさを倍増させる。
実祈「・・・でねー?」
まるでラジオの様にノンストップで喋りまくる実祈。この暑さでよくそんなにぺらぺらと喋れるなーと思いつつ、聞き流していると学校が見えた。
聡「あー、やっとついたか・・・」
まるで幽霊屋敷みたいなこの木造建築の建物がオレの通う小学校だ。でも・・・。
聡「なぁ実祈」
実祈「え?なに?」
聡「なんだか・・・変じゃねーか?」
実祈「なにが?」
聡「なんつーか・・・雰囲気」
実祈「雰囲気?」
何か・・・そう。本当に些細な何かが違う気がするんだ。まるでこちら側と、校門の先は違う世界ではないかと錯覚するような、そんな感覚だ。
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