銀色の空

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「私は宛のない旅路をひたすら歩き続けていく。そこに終わりがないと知ってても」 「なんでいんの?」 「同棲?」 「早く荷物まとめて帰れ」「地球周期に私の存在周期が重なるとき、世界は終わりなき旅にピリオドを打つだろう」 ソファーベッドで 横になってる不思議ちゃん。 おい。 「帰れ」 「嫌です、と言います」 「殺します、と言い返します」 「では、居座らせていただきます」 文佳もいるってのに なんて面倒くさい事しなきゃなんのだ? 「静」 「それがどうした?」 「別に」 「では、部屋に上がらせてもらいますか……」 「あっ、待て、コラッ!」迅速に、家の構造を知ってるとしか思えない動きで二階へと向かう。 「あらら…」 早すぎ。 「構ってよ」 「文佳か。何?」 「最近、遊くん独り言ばっかで文佳に構ってくれない」 「は?」 「変な遊くん」 ぷい、と文佳は居間に消えていった。 見えない少女。 存在無き少女。 あれやこれと考えても 頭がパニックになるだけだ。 冷静に冷静に、だ。 僕は熱い人間じゃない。 むしろ冷たい方だ。 でも、何でだろう。 ………温かい。 さて、部屋に向かうとしますか……。
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