《自殺志願のお姫様》

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第2章 《自殺志願のお姫様》枕毘 星夢 編 あー、眠い。 昨日から一睡もしていないのである。 夏休みの宿題を初日に 終わらすべく一日中 部屋に籠っていたのであった。 遊んでくれと五月蝿い 文架を上手くあしらいながら、なんとか徹夜で 終わらすことができた。 さて、季節は暑い暑い 夏な 訳だが、すでに 僕は三年生に進級していて、文架はまだ、家に 居座ってるままだ。 あれから、なにも進展は無く、半分諦めている 僕であった。 ピンポーン!! チャイム音が家中を広がる。僕は急いで階段を駆け降り、玄関のドアを開ける。 「やぁ、洋一くん」 「遊一だ」 「光一くん」 「遊一」 「善一くん」 「じゃね」 バシィィイイッッ!!! 「扉は…はぁはぁ……閉めないで……」 「入れよ」 「やたーーっ!!」 金髪ツインテールのこいつの名は枕毘 魁夢(まくらび かいむ。男みたいな名前だがそこは突っ込んじゃいけない)。 僕の幼なじみだ。 三歳から一緒の幼稚園に通ってた、でも 魁夢が 五歳の頃に転校してからは パッタリ交流が無くなったが、夏休みの一週間前に…… ―― 一週間前…… 「お、電話か?めんどいな……はい、弓月です」 「……………」 「え、あの~聞こえますか?」
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