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「………私」
「私?」
「私私私私私私私私私私………」
「って、なんですかっ?」「交通事故に遭って今、私……死にそうなの………だから………指定の口座に三百万ふりこんでっ!」
「…………」
「…………」
「……………では、これで」
「わわわっ!!ごめんよ!!ジョークだよジョーク!!」
「私私詐欺って……で、誰あんた?」
声はどこかで聞いたことがあるように感じられたが、駄目だ、思い出せない。
「覚えてないの?」
「はい」
「うーん……じゃあ、君の好きな星座を当てよう」
「なんだ」
「餃子」
「………だから?」
「ええっっ!?これでも、分からないの?」
「うん」
「じゃあ……君の初恋の人を当てよう」
「初恋か?」
「つばり、百合組の五月雨刹那ちゃん」
「………お前……魁夢か?」
「せーかい♪」
「何年ぶりだろうな」
「十二年ぶりかな」
「で、なんの用だ」
「あのさ、夏休みの間だけさ………」
「間だけ、何だ?」
「………住まわせて!!」
――――その後うまくやり込められて、夏休みの間だけ、魁夢をうちで
住まわすことになってしまった。
相手の親御さん達に
了解は取ったのだろうか、とても心配だが、
確認するまもなく その日はやって来たのであった。
「よろしくね、遊くん♪」ドタバタな日々が
脳裏に浮かんだ僕であった。
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