《自殺志願のお姫様》

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割と空いていた。 てっきりレディースデェイを狙って足を運ぶ女性は多いものかと思っていた。 まぁ、少ないに越したことはないよな。 僕は魁夢の分のポップコーンを買いにショップに向かった。 「すいません」 「はい」 「キャラメルポップコーンとチュロにマウンテンデュー2つ」 「かしこまりました、しばらくお待ちください」 ふと、シネマを照らす色とりどりのライトに 見とれていると、非常出口付近に体育座りしている少女に目が留まった。 黄色帽子を被った少女。 どうみても小学生だ。 母親でも待っているのだろうか? 「キャラメルポップコーンとチュロとペプシコーラ2つです」 「あ、はい」 まぁ、いっか。 僕には関係ないことだしな。 「……マウンテンデューは?」 「あ、すまん」 「あれじゃなきゃ駄目なの」 「別に変わらないだろ?」「ううん、とっても重要なことなの。言うなれば、エロゲとギャルげくらいの違いね」 「年齢的な違いじゃねぇかよ!」 「それくらい甚大なの、わかった?」 「あいあい、次回からは気を付けます」 「次回……ね。………さあ、行きましょ」 「そうだな」 映画は楽しく、な。
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