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チープな恋愛映画であった。
ありきたりすぎる内容で、思わず舟を漕ぎそうなくらいであった。
ポップコーンを食べることがメインになってしまった僕は時折魅夢に方を覗くと、彼女は真剣な眼差しで食いついているのであった。
人それぞれ感性や価値観は違うものさ。
「ふぅー、面白かった。游弌も面白かったよね」
「舟を三隻ほど出航させるくらい面白かった」
「よかったわね、うんうん。私の目に狂いはなかったわ」
CMでも一度も見たことがないくらいのローカル映画をチョイスするあたり、こいつはヤッパリ変わり者なんだと再確認された僕であった。
「人少なかったしね」
僕らを除いても三人くらいしかいなかった。
「ヤッパリ少ないに越したことはないわね。おかげて気持ちよく映画を楽しめたわ」
映画館は基本静かです。
「帰るか?」
「うーん、まだ少し時間あるしね………」
「ゲーセンとかは?」
「いいわね、じゃ行きましょ。確か三階だったわよね」
「無難にコインゲームか、いや、ここはドラムの達人かな」
「ぶつぶつ言わないで、ほら行くわよ」
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