九月六日

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「悪いがヒーローならいるんだ。 まあ、職業柄しかたなくな」 その声は死にかけた男の声でなければ トオマの声でもない。 「誰だアンタ?」 それはトオマが男ではなく後ろにいる一人の人間に対する言葉だった。 「俺の名前は'海岸'テメェらみたいな馬鹿を牢屋にブチ込むためにいる」 左手で顔が見えないように前の定位置に固定し 右手で六發式の拳銃を構える。 「正義のお巡りさんだよ」 最凶の殺し屋と最強のお巡りさんが 今ここに対峙する。
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