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その蹴りは簡単にコンクリート壁を貫いた。
「避けるな」
「フザケンナ」
無惨にも粉々になったコンクリートを見て冷や汗を流す。
「アンタ本当にお巡りさんかよ?やることなすことメチャクチャだ」
その言葉に海岸は鼻で嗤う。
「無茶苦茶だ?どっちが無茶苦茶だ。
法律破って人を殺す奴に言われたくねぇし。法律を破った奴に俺は法律を守りながら戦うつもりはない」
軽く足を踏み込んだだけで海岸の体は宙に浮く。
「メチャクチャだ……」
かかと落としの容量で縦に回転しながら
落ちる人影になす術もなくトオマは後ろへ跳ぶ。
予備のナイフを袖から滑らすように出し、両手にナイフを握る。
地面に着地した瞬間に海岸にも負けない勢いで飛びかかり、ナイフの切っ先を海岸へ向ける。
その凶器に対して海岸は躊躇なく右足で突くように蹴りを放つ。
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