九月六日

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トオマは靴ごと足を貫くようにナイフを前に突き出した。 しかし、 「ッ!?」 ナイフは靴を貫通することはなかった。 それどこれかスプーン曲げのように捻じ曲がったのだ。 海岸の蹴りは勢いをなくすことなくトオマの顔へ直進していく。 首を限界まで横に曲げるていくトオマにはその足の動きがスローモーションに見えた。 避けるというよりもほとんで倒れるという形でトオマは蹴りを回避する。 「ッッッぶねぇ!!」 と体を起こした瞬間。 「うるせえ」 という実に冷たい言葉が聞こえた。 目線の先には拳銃を構える海岸の姿 マズッ!体が動かねぇ! レボルバーが回転し球を装填する。 人差し指に徐々に力が加わる。
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