九月六日

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瓦礫の中へ突っ込んだ海岸は後頭部を抑えながら起き上がる。 「テメェ……ギン……」 こちらも帽子で表情は見えないがどうやらすごく怒っているように見える。 「やっぱ生きてやがったんだな……」 ピクリとも動かないキツネ面に海岸は語りかける。 「ゴメンおっさんどういう状況」 水をさすようにしてトオマが間に入る。 「この状況……テメェ達、組んでやがったのか」 聞く耳を持たないトオマはもはや質問をする気にもならなかった。 拳銃をキツネ面に向けて海岸は構える。 「ギン……。今回ばかりは捕まえさせてもらうぞ」 それをただただ見るキツネ面は小さく笑った。 「相変わらずですね……海岸さん」
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