九月六日

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地面に向かって近づいていくトオマの顔を容赦なく膝で迎えたのだった。 ゴシャ!という鈍い音が聞こえたのとともにトオマは宙を舞い地面へ今度こそ崩れる。 「こンのッ!!」 「しぶといなテメェ」 「あっ!?」 と、トオマがいきなり間の抜けたような声で海岸の頭の上を指差す。 「そんな古典的な罠に誰が……」 だが同時にその方向から殺気を感じたのである。 考えるよりも早く海岸は後ろへ跳んだ。 案の定、今海岸がいたところに'ピアノ'が落ちてきた。
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