九月六日

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それは狐面の男だった。 「うおおおぉぉぉおお!!?」 そいつは鉄骨から飛び降りる。 「ピアノの兄ちゃん!!」 「そこかよ……」 トオマにとって印象的だったのはどうやらそこらしい。 「困ってるみたいだな通りす狩り屋」 「アンタもなかなかに手こずってるみたいだが?」 トオマはナイフを片手に切っ先を狐面に向ける。 「まあ待てよ。状況を考えろ」 「?」 「俺はオマエに死なれちゃ困る。オマエも営業が危うい。 このままだと話を聞くどころじゃなくなる。だからとりあえず……一旦手を組もう」
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