九月六日

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「人殺し相手に交渉なんざ無駄だよな?捕まえてから首輪を締めればいい」 海岸は手に持った拳銃を捨て片手を腰に回す。 「踊れよ道化師。最後まで付き合ってやる」 取り出したのは白と黒の配色が輝くマグナム。 海岸の象徴とも言えるべき愛銃 『無愛想な美女』(ゼブラ)である。 弾は六発。予備なし。 過去。現在。未来。 彼はこれ以上の弾を持たず、これ以下の弾を持たない。 しかし、彼は一度としてこの拳銃を使う時、外したことはない。 故にもしその拳銃を見たなら相手は引き金を引かれる前に降参すると言う。 「俺を踊らせるか?だったら精々、奏でることだ人間。つまらない雑音を鳴らしてくれるなよ」
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