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その言葉が狐面からもれた後すぐである。
二人の足場である鉄骨がバランスを崩し始めた。
「忘れてませんか海岸さん……」
傾き続ける鉄骨の上で狐面は悠長に語る。
「オマエ達ッ!?」
不意に海岸は下を見る。
「化け物ならもう一匹いますよ……」
見えたのは持ち主の小柄な身長を越すほどの馬鹿デカイ『鎌』である。
そいつの口の動きを読みとる。
『ざまぁみろ』
と確かにしっかりと言った。
「いい仕事だ。通りす狩り屋」
海岸と狐面は視界の世界が90°傾いたまま
地面に向かって落ちていった。
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