九月六日

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廃ビル前・現在 ーーーーーーーーーー 鉄骨が全て崩れ、建物は半壊していた。 倒れたジェンガーのように以前はビルだったという跡形もなかった。 その被害を避けるようにして殺し屋にして通り魔のトオマは大鎌を肩にかけダルそうに立っていた。 「おーい。兄ちゃん生きてっかー」 心配なんてものがひとかけらもこもっていない棒読みが辺りに響かない程度に鳴っていた。 すると瓦礫の山から微かに残骸が転がり落ちてくるのをトオマは確認する。 瞬時に鎌を構える。 それははたして狐面か海岸か、定かではない。
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