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「さすが死神だ……」
瓦礫からは手が生えてきた。
それは黒く覆われた手袋だった。
「ハハ。しぶといな兄ちゃん」
その声から狐面だと理解する。
生えてきた手を静かに掴み思い切り引っ張る。
「海岸さんは?」
出てきたの目に焼き付いている狐面の姿だ。
「さぁな、死体を確認してぇが正直あれで死ぬなんざありえないだろ?」
「ああ。あれで死ぬ人じゃない。恐らく今日はひいてくれくれたんだろう」
服に着いている砂埃をはらいながら悠長に答える。
「で、どうするつもりだよ兄ちゃん」
「ん?」
「もうおっさんもいないんだ逃げなきゃヤバくないか?」
「いや、もう一つ俺には仕事が残ってる。というかそっちが本題なんだが」
なんだよ。と聞こうとした瞬間のことである。
トオマの上に騒がしい音が鳴り始めた。
それはプロペラが高速に回転する音だった。
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