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トオマから一通りの状況を聞いた僕はある人物の元へ行くことを考えついた。
話していても状況は何も変わらない。
エレベーターに乗り頂上階までいっきに上がる。
着いた瞬間見えたのは「校長室」の文字。
2回のノックの後、ゆっくりとドアを開ける。
「無事に会えたようだねトオマ君」
入ってきた僕達を迎えたのは堅苦しい挨拶でもなんでもなく、まるで初めから僕達が来るのをわかっていたかのような優しい女性の声だった。
「こんにちは。校長」
僕の挨拶の通り目の前にいる絶世の美女がこの学校の校長である。
モデル顔負けのスタイルと目が合った瞬間、石にはならなくても一時的な硬直状態にはなるであろう整った顔立ち。長くしなやかな髪は陽の光で茶色に輝いていた。
校長は広い部屋の端で椅子に座っていた。
「行けばわかるってそういうことかよ……」
トオマがぼそりと言葉を漏らす。
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