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「んでもう一つが……」
と先輩が話を続けようとした時、僕は時計に目がいってしまい、ある事に気づく。
「って!先輩!時間時間!」
時刻はすでに6時半である。
沙柚との約束の時間はとっくに過ぎてしまっていた。
五分と言っておきながらあれからもう何分もたってしまっている。
「おっとっと。危ない危ない。それじゃあまた今日にでも電話してよ。
ちょっと待っててバックアップとるから」
先輩は慣れた手つきでスムーズに事を終えていく。
「じゃあ僕は先に入り口まで行って待ってます。沙柚を待たせちゃってますから」
それを聞いて先輩は嬉しそうに微笑む。
「おや~?先輩はお邪魔かな?」
先輩は意地悪そうな目で僕を見た。
「何回も言いますけど沙柚はただの友達ですよ」
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