テ首CUT

20/20
前へ
/171ページ
次へ
「いいのかな~?あんな真面目で可愛い子なんて最近はなかなかいないよ?」 先輩は下から僕を覗き込み楽しそうに笑う。 全くなんでアナタの方が楽しんでるんですか……。 「だからこそですよ先輩」 「ん?」 「あんな真っ当にして純粋な奴が僕なんかとくっついたらダメなんですよ。 アイツにはアイツのちゃんとしたヒロインルートがあるんです」 「そうかなぁ」 「そうですよ」 そう言って僕は部室を出た。 真っ当にして純粋だからこそ愛さない……か。 自分で言ってなんだけど…… 「歪んでるよなぁ」 静かなパソコン教室で闇に染まっていく外を眺めながら淡々と口癖を呟いてみた。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加