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あれから僕は沙柚を向かいにいき、先輩を玄関で待ち、数分後ただいま現在
自転車の後ろに先輩を乗せて沙柚と二列になり道の上を走っていた。
「う~ん。やはりこの後部座席の風は気持ちがいいよ~」
先輩は気楽な様子で僕の制服の裾を掴む。
「別に先輩を乗せる事を嫌には思いませんけれど……どうせならもっと早く言ってくれませんか?」
先輩は今日自転車に乗って来ておらず、
自宅から車で登校していたのだ。
「いやいや。メンゴ」
「先輩?なんだったら私の方に乗ります?」
沙柚が僕の顔をみて心配したのかそんな事を提案した。
「ん~?なになに?これはまさかのジェラシーかにゃ?」
「ち、ちち違います!」
沙柚は珍しく慌てた素振りを見せた。
「あははは!冗談冗談」
先輩は相変わらず元気なようだ。
「ところで先輩さっきの事件の話ですけど……」
「?事件て?」
沙柚が疑問を持って聞き返した瞬間。
先輩は後ろから僕の首に腕を巻きつけて耳元に顔を近づけた。
「コラコラ。沙柚ちゃんには環部での裏仕事を教えてないんだからさ、迂闊なことをしないようにだよ」
「そうでしたね」
「さっきも話したけど。話があるなら電話して。僕の電話なら盗聴される事はないからさ」
「イエッサー」
先輩はすぐさま腕を離し沙柚にフォローを入れる。
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