手NECKギリ

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などと話している間にすでに道を抜けて南区に入った。 一本道を抜けたその先の分かれ道。 そこで僕達は一度自転車を止める。 「じゃあ私はあっちだから。二人共お疲れ様」 『お疲れ様でした』 先輩は暗い通り道を歩いていく。 その先に一台のリムジンが止まっていて先輩はそれに全く遠慮せずに乗り込む。 おそらく先輩の家の人だろうとその姿を確認して安心した。 僕たちは二つに分かれた内のもう片方の道に向いて歩いていく。 だんだんと暗い道から明るい街の方へと出る。 「事件と言えばさ」 珍しく沙柚から話題をふった。 「最近話題になってるニュースあるでしょ?」 「うん。知ってる。リスト・カット事件だよね」 僕は無表情で返す。嘘をつくことに関しては自信があるのだ。 「あれの現場って近くでしょ?怖くってさ。夜も出歩けないよ」 「出歩かなければいいよ」 「いや、それはわかってるけどさ……」 本当に怖がっているように見えた。 まあ連続殺人の犯人が近くにいれば誰だって怖いよな。 「なんかあったら僕を頼ればいい。散歩くらい付き合うよ」 「うーん。頼りないなー」 「うーん。ヒドイなー」 厳しい一言だった。 「だって潤君て女の子みたいだし、背もちっこいし」 悪気ないんだよ?彼女にはね。 「これでも平均的男性能力は持ってるよ。ただ体つきには自信ないけどさ」
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