手NECKギリ

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話をしているとだんだんと明るい街の方へと出た。 「ここまで来たら安心できるんだけど」 沙柚の顔はまだ少し強張っていてなんだか見ているこっちもどうしたものかと考えてしまう。 近くの駐輪場に自転車を置き鍵を閉める。 ここからは歩きになる。 暗い道とは一転してここらは人が多く、 夜中に空いている店も少なくはない。 都会に比べればまだまだ足元にも及ばないが僕達にとっては意外に楽しめる場である。 「沙柚。今度の休みに一緒に出かけないか?」 「え?どうしたの急に?」 「この前誘ってくれたけど先輩に邪魔されて行けなかったろ?その埋め合わせで」 しばし沈黙が流れる。 沙柚は「私何かしたのかな?」と思考を回していた。どうやら僕らしくない行動だったらしい。しかしすぐに 「フフ。ありがとう潤くん。それじゃあまた詳しい時間を教えて。楽しみにしてるから」 沙柚は笑って僕の手を握ってきた。 「任せといてくれ。僕が最高の一日にしてやろうじゃないか」 僕はとくにリアクションをとらずただただ 握ってきた小さな手を握り返す。 沙柚の強張った顔は無くなっていた。 どうやら僕の簡単な考え方は見透かされていたようだ。
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