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止まったところは丁度沙柚の家の前だった。
「相変わらずすごい花屋だな……」
家の周りは派手なアートで包まれていた。
犬の形をした物や、鳥、花を巧みに絡ませて店を彩っている。
全て手作りで素材は花や木を使われている。
「もう。母さんたらまたこんな事……」
沙柚はぶつくさと文句を言ってから
ゆっくりと名残惜さそうにして手を離した。
「じゃあ。また明日」
「お疲れ」
沙柚は花屋の中へと入っていく。
僕はといえばその向かいの店に目を向ける。
その店の看板には大きく「大神包丁店」と書かれている。
店頭には半額セールだと強調した貼り紙あり籠の中に無造作に包丁が置かれていた。
犯罪者をかなりウェルカムの姿勢で待ち構えている。
ただでさえ殺人犯がうろついているのに……。
大丈夫なのだろうか……。
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