手NECKギリ

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地下の仕事場から階段を登り今度は二階へ続く階段を登る。 一段一段上にいく度に脳を刺激するいい匂いがした。 二階着いてすぐ左に曲がれば台所である。 キッチンというにはあまりに貧相なのでここでは台所という風に統一しよう。 「おかえり瀬名」 台所には皿を配る瀬名がいた。 「……」 無視された。 「えーっと。瀬名さん?」 「…………」 おおっとこいつはマズイぞ……。 不機嫌のレベルが尋常じゃない。 「兄さん……」 やっと瀬名が口を開く。 「なんでしょう」 鍋の火を止めると周りから音が消えた。 「今日また部活に……霧雲先輩に会ったんですか……」 低いトーンを保ったまま瀬名はこちらを見ずに晩御飯の準備を進める。
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