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などと決して本人には言えないような
脳内検索をしていると
こちらがかける前に先輩から電話がかかってきた。
「もしもし」
『もしもしジュッチー。さっきぶり』
こちらも呑気な、呑気すぎるテンションだ。
しかもこっちは事件をすでに知っててこの態度なのだからたちが悪い。
人の事言えないけどね。
「先輩さっきのニュース」
『わかってる。そういえば言うの忘れたと思ってさ。今私もニュースを見て思い出したんだ』
「思い出したって先輩……。今日七人とか言ってたじゃないですか?」
『テヘッ』
「ドジっ子の範疇(ハンチュウ)を超えてますよ」
僕は溜息をついた。
『怒ってる?』
「怒ってませんよ。驚いてはいますけどね」
こんなのはもう慣れている。
「これから沙柚の家にいってきます」
『ああ~。沙柚ちゃんのダメージは
大きいだろうね。ごめん。そっちは任せるよ。私は私で事件の事を調べてみるからさ』
カタカタと電話越しにキーボードの音がした。
きっとすでに調べ始めているんだろう。
「お願いします」
『じゃね。真心で愛してるよ
オオカミ少年』
「はい。下心で恋してますよ
ワトソン先輩」
僕は荷物を持って家を出た。
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