迷探偵

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ーーーーーーー 夢を見た。 僕にしてはいい夢だ。 稀に見るまともな夢だ。 過去を振り返る夢なんて何ヶ月ぶりだろうか……。 目を覚ましてみるといつもの天井ではない。 あれ……何してたっけ。 軽く記憶喪失である。 えーーーーっと……。 自分を落ち着かせる。 まわりを確認すると僕はベッドの上にいる。 「いつから僕はこんな可愛い趣味を見つけたんだ……」 ベッドの柄は可愛いらしい動物に彩られている。 「すー……すー……」 微かな息遣いが聞こえた。 ベッドから下を覗くとそこには沙油がいた。 3秒ほど眺めてから記憶がフラッシュバックする。 「ああ。思い出した思い出した」 納得して沙油の鼻をつまむ。 「少しは手加減しろ」 やり過ぎると起きてしまうため すぐに手を離す。 時計を確認。 針は真夜中の2時を刺している。 「さてと、予想外にも寝過ぎちゃったな……間に合えばいいんだけど」 上着も脱がずに寝ていたため 準備に時間はかからなかった。 「さて、道化のお仕事とまいりますかな」 僕は物音を立てないよう慎重に足を運び部屋を後にした。
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