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「はい。もちろん先輩から詳しく聞いてます」
それを聞いた海岸さんは深く溜息をつく。
「全くあの嬢ちゃんは口ベタだな」
「いえいえ、僕以外には言っていないと思いますよ」
僕はフォローを一応いれておいた。
「まあ、俺は見ての通り捜査中だ」
腕を組み、何事もなかったかのように
聞いてもいない質問に答える。
「はあ。それじゃあ失礼します」
「ウェイト!」
なんで英語?とツッコミをいれようとしたが、海岸さんは僕の肩を掴んでいた。
「なんでございますか?」
「俺が何も言わずにお前さんを止めると思うかい?」
少し思考してみたが、それはないなと
納得した。
「こいつ……知らないか?」
海岸さんはトレンチコートの内側ポケットから何やら写真を取り出す。
白黒でわかりずらいがカメラ目線で
笑っている奴がいる。
「息子さんですか?かっこいいですね」
「息子の写真を監視カメラで撮るかアホ」
海岸さんが出してきたのはコンビニの
監視カメラに写っていた写真だった。
長髪で女か男かわからない顔立ちと、
その割にはドクロのマークが入った
パンクな衣装。
うーん。10分前に見た気がする。
「こいつがどうかしましたか?」
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