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炉是沙柚(ロゼ サユ)に初めて出会ったのは中学1年の春である。
その時から彼女は有名で頭もよく。
運動もそれなりにでき、料理もうまかった。
家で作って来たお菓子を友達や男子にも配ったりしていた。
それで勘違いをした奴も少々。
同性から嫌われることもなく
どちらかというと好かれまくっていた。
まだ伊達メガネをつけていないし、
髪も伸ばしていて超美少女だったのだ。
そんな彼女と当時も根暗な僕が一瞬でも一緒に並ぶということはない。
そんな感じで接点もなく、共通点もなく、会話もほとんどないままに
僕と沙柚は一緒のクラスですごしていた。
季節は巡り冬。
クリスマス・イブを一週間前に控えた時。
クラスの中で変な噂が飛び交った。
それは炉是沙柚の好きな男子がクラスにいてしかもクリスマス・イブに直接告白する。というものだった。
たくさんの男子の夢は終へ、また
少数の男子は確信と自信を胸にクリスマス・イブをまった。
他人の誕生日を祝う行事を自分の事のように喜び。
サンタクロースを待つ子供のように期待に胸を膨らませた。
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