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しかし、その少数の男子達の夢は真っ正面から抹消されたのだ。
クリスマス・イブ。
冬休みなのにも関わらず全校生徒のほとんどが告白される場所に集合した。
全員で連絡網を回し、沙柚の女友達も集まった。
そこで沙柚はハッキリと言った。
「私が好きなのは……大神潤君。貴方です」
炉是沙柚が選んだのは僕だったのだ。
沙柚曰く、一目惚れだったらしい。
あまりにもまさかの事実に全員が驚愕したのである。
ちなみに何故根暗な僕がこのような行事に来たのかというと沙柚本人からの電話があったからだ。
連絡網なら僕は江戸君から連絡が来るはずだったのである。
『明日!絶対来てほしいの!』
純粋な少年である僕はちゃんと来ていた。
そして、今その時。来ている僕にまさかのハッピーサプライズが訪ようとしていた。
周りの男子はヤケクソになり
「俺の負けだばかやろう!」
「持ってけドロボウ!」
女子は女子で
「お似合いだよ!二人とも!」
「ヒュー!ヒュー!」
などと場を盛り上げてくれた。
クライマックスまでもうあと少しだ。
周りの一体感が沙柚に勇気を与えた。
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