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暗がりの路地。
独特の生ゴミの匂いと、ドブ臭い匂いが絡み合い醜悪な場所を創り出している。
ドブネズミが好んで徘徊するこの路地で
一人の若者が逃げていた。
「ハッ!!ハアッ!! ……ッグ!!」
山積みになったゴミ山を押しのけて
奥へ、奥へと
「なんで俺がこんな……ッ!!」
愚痴をこぼしながら必至に駆ける。
馴れない道を左右確認しながら
少しでも速く、奥へ、奥へ。
彼がこんな風に醜く走っているのは何故かというと、それは数分前の出来事である。
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