九月六日

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「なあ」 と、どこからかそんな声が彼を呼んだ。 「あン?俺?」 自分自身を指差しながら いつの間にか後ろにいたその奇抜なファッションの少年に聞き返す。 彼は少し唖然としていた。 若者の姿は一言で表すならば不良。 ヤンキー。 髪はキラキラと光るのでは、 というような金髪。 耳にピアス。鼻にもピアス。 目つきは悪すぎるくらいだ。 ジャラジャラと金属物を体に身につけていて。 一般の人間ならば、まず話しかけないだろう。 それに馴れ過ぎた若者は、当たり前のように話しかけて来た少年を不思議に思った。 「ああ。アンタ以外に人いないだろ?」 ってかコイツどっから出て来たんだ。 右に左にとうろうろしていた男はとおくに見える路地をずっと見ていたのだ。 「何者だテメェ。さっさと失せろ」image=443273557.jpg
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