九月六日

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「う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!??」 触った手にベッタリと付着した赤い液体は粘っこく付きまとった。 「なんッ!? ハッ!! フッザケンな!!」 血を壁に押し付ける。 倒れた同僚の体からは血が溢れていた。 地面の土がそれを少しづつ吸収していくが、体から流れるそれの速度には追いついていない。 「ザッケンナ!ザッケンナ!ザッケンナ!」 壁では意味がないことを悟ったのか今度は地面に押し当てる。 土と混ざりグズグズになる。 「イッ……!!」 こすっていた最中、尖った小石に当たったのか掌にかすり傷が出来た。 そこから微量の血が流れた。 壁に付いた血と見比べる。 「やっぱ……これ……血?」 グッタリと倒れたまま起きない同僚に視線を変えるが、やはり死んでいることを自覚する。
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