九月六日

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「なんだ。さっきの道案内の兄ちゃんじゃん?仲間だったのか?」 その気さくな聞き覚えのある声は 男の心を蹂躙するように後ろから語りかける。 「っ!?」 男は反射的に後ろへ振り返った。 髪を束ね、ドクロを強調した、前髪の一部が赤毛のトレードマークを持った少年。 「テ、テメェがやったのか……」 「ん?そうだけど?」 不思議そうな顔をして少年は話す。 「それが俺の仕事だからな」 「し、仕事……だと?」 ああ。と短く返事を返すと 少年は胸ポケットから小さな紙を取り出してそれを男の足元に投げた。
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