九月六日

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数分後 ーーーーーーーーー 現在にいたる。 腐臭を放つ路地を渡りに渡り。 とうとう 「嘘だろ……」 行き止まり。 壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 「なんで!なんで!クソ!」 ここに壁なんてないだろ!! なかったはずだろ!! 間違えた? 違う!ここは17から19に行くための唯一の道だ! 「よう。道案内の兄さん」 後ろからまたあの声である。 「まあ、道案内が道に迷っちゃ意味ないよな」 「来るな!!」 壁に背中がくっつくくらいに後ずさりする。 ザクッと嫌な音が男の左腕から聞こえた。 「ガッ!アアアアアッッッア!?」 それは刃渡り20cmのナイフ。 トオマが放った物である。 「悪いが今のはわざと外したんだ。アンタを哀れんで俺の罪悪感が揺れ動いた訳ではないので悪しからず。そして今の行動でわかったかもしれないが俺はアンタに優しさもなければ慈悲も労わりも敬意もない」
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