九月六日

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「さっきは勢い余って全員殺しちまってさ。アンタしかいないんだよ。 待ってれば別の奴が来るんだろうけど。 生憎と売れっ子で忙しいんだよね」 自分よりも身長が高い男の胸ぐらを掴む。 「さぁて、『鳳凰会』のことをいろいろ吐いてもらおうか?」 刺さったナイフを握り 焦らすように抜いていく。 かと思えば左右に動かして傷口を広げる。 「イッギッ!?ッッッッッ!!」 言葉にならない声をあげる。 男はその時のトオマの眼が見えた。 冷たく、鋭く、何もかもを死へ誘う 「ヒッ!?」 死神。 「助けを呼んだって誰もこないぜ? この場合、聞こえないから来ないんじゃなくて、聞こえても来ないんだよ」
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