九月六日

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「『鳳凰会』に入った時点でそれぐらい覚悟しとかなきゃな?アンタらみたいな絵に描いたような悪名名高い連中を助けるヒーローなんかいやしない」 胸ぐらを掴む手に力が入る。 「た、たす、助け……!!」 「はは。助けを呼んでも来ないなら俺に助けをってか? ハッ!!」 トオマは左腕に刺さっているナイフを一気に引き抜く。 それを半回転させて逆手に持ち変えて 男の喉へと刃を走らせる。 「曲がってんだよ」 男の一生はそこで終わった。 両者ともにそう思った。 しかし、 「ッ!?」 ガキンッ!! と、響いたのは悲鳴ではなく。 金属音。 男が眼をつむった0.5秒の間、 再び眼を開けたそこには刃渡り20cmの凶器はなかった。
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