発の章 はじまり

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「ねぇ!どうなってるのっ」 と叫ぶ私に、数十メートル上から男が不適な笑みを浮かべる。 「だから言ったろ!お前は俺に付いて来るしかないって」 と、ちょっと、否、かなり偉そうな言葉が投げつけられた。 なんかムカつく!  どんどん天を目指して進む男に、無抵抗のまま引きずられる私。  その姿はかなり無惨だけど、とにかく今はとりあえず、コイツの言う通り、コイツに着いて行くしか道はなさそうだ。  私は遠ざかる現世にかなりの未練を残しつつ、仕方なく彼に引きずられ続けた。
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