発の章 はじまり

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 男はつまらなそうに口を歪めポリポリと頭を掻いた。  明らかに不満げ。 私が一体何したって言うのよ!?  そんな事よりも! 私はこの足下に転がる可哀想過ぎる自分を救ってやりたい。 が、残念な事に指先の一本すらピクリともしない。  たまらず手を伸ばすが……すり抜ける。
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