プロト

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私はある日を境にやけにリアルな夢をみるようになった。 その夢とは違う世界に自分が実際に存在しているような不思議な感覚だった。 そして今日もまたリアルな夢をみた。 それは私の好きな人達と共に音楽を奏でるという学生生活を送っている世界であった。 「お嬢様起きてください。もうお昼過ぎてますよ。」 私の脳内に葵の声が入ってきて私は目覚めた。 「おはよう葵。いつもありがとうね。」 「いいえ。これも私の勤めです。お嬢様、昼食の準備をするのでリビングでお待ちください。」 葵はそう言って小走りでキッチンへと向かっていった。 「いつも葵に迷惑をかけちゃってるから私もしっかりしないとな。」 そうつぶやいた私はリビングへ行く前に身支度を整えることにした。 そう今日は夕方から相方である久遠と会って企画しているラジオの内容を考えるという活動。 私はそのままハンドバックに自分が企画した内容を書き留めたメモとステーショナリーセットを入れてリビングへ向かった。
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