プロト

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家を出た彩乃はそのまま電車も使わず久遠の家へ足を運ぶことにした。 雲ひとつ無い清々しい陽気に彩乃の足取りは軽く気分良く歩き出した。 耳にはイヤホンをつけてお気に入りの曲を聞きながら久遠の家に向かった。 カレンダーの日付は3月の後半。 新しい事をするには準備するにはいい季節だ。という事を久遠と彩乃は前もって決めていたのだ。 「今日もちょっと冷えるな。長袖を着ておいてよかった。」 と空を見上げながら彩乃は呟いた。 彩乃は気づいたら久遠の家の前についていてインターフォンに指を押している。 「は~い」 その声と共に出てきたのは彩乃の相方である久遠だった。 「久遠、待ったかな?」 「大丈夫。ちゃんと時間通りだよ。さっ上がって。」 「おじゃまします。」 そして彩乃は久遠の家に上がって久遠の部屋に入る。 「さっそく、4月から予定してるラジオの生放送の内容について話そうか。」 と促す久遠。 「ちょっと待ってよ。私だって準備してきたんだから。」 そう言ってハンドバッグからステーショナリーセットとメモを出す彩乃。 互いはその仕草を見て微笑みあう。 「さっ早くどんなコーナーを考えたか互いに見せ合おうよ。」 と久遠は言って自分のメモを机の上に出して彩乃と話し合いをはじめた。
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