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「…ふわー…。」 朝、いつもの喫茶店のバイトに向かっていたティナは、大きなあくびをした。 (ね、眠い…。疲れてるのかな…。いや、私ごときが疲れだなんて生意気な…。気をつけなくちゃ) 「……ふわぁ」 心とは裏腹に、眠気は取れないようだ。 …と。 「っあ、すみません!」 「………。」 前から歩いてきた、帽子を深く被った長身の男と ぶつかってしまった。 「…?」 …が、男は気にする風もなくつかつかと去っていった。 …なぜか、違和感があった。 (…まあ、いいか。って…!) その違和感の正体。 「わっ、私のカバンっ!!」 男にぶつかる前にはあったはずの自分のカバンが…、 無くなっていた。 眠気が吹き飛んだ。 .
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