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広い部屋に、ドンドンと雑なノックの音が響いた。
「………どう」
「おいクー!!…さん!いつまで俺にストーカーさせるつもりだよ?!俺あの子の生活に合わせてたらっ――――」
「…ジン、返事を聞いてから入りなさい。」
「う…。わ、悪かった…。」
ジン――先程ティナを監視(ストーカー?)していた青年は、物腰が穏やかなクーと呼んだ青年の部屋にあるソファーへどかっと座った。
「…だけどさ、あの子…。早くしないと死ぬぞ?毎日ろくなもん食ってないんだ。昨日の夕食だってバイト先の残り物のライ麦パンだけだし。ほとんど寝てないみたいだし。ホントにあの子大丈夫なの…っ」
そこまで言って、クーの刺すような視線に気付いた。
「……惚れた…、なんて言ったら怒りますよ。」
「…………んなわけ、ないだろ…。」
「……そうですか。」
クーが再び穏やかな笑顔に戻ると共に、ジンの肩の力も抜けた。
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