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「でも気づくと、知らない男が立っていて、その男はどこか、ペットの猫に似てるんだよね」
「似てる?」
さっきまで相づちをうっていた奈都佳が、質問してきた
「…似てるって言っても、なんとなくだし、はっきりはしてないんだけど、猫の毛の色と男の髪の毛の色がすごく似てて……
なんか、初めて会った気がしない…みたいな」
「なるほど…」
奈都佳は、こんなバカげた話を真面目に聞いてくれる
「それで、気がつくと男は消えてて…」
いくら、例え話でも襲われてその後の記憶がないなんて言えねぇ
「それで?」
俺が途中で黙っていると、奈都佳が口を開いた
「………それで、その男誰だと思う?」
しばらく沈黙が続く
「…ぷっ」
「ちょっ、何笑ってんだよ!!」
さっきまで真剣に聞いていた奈都佳が笑い出した
「だって、何を言い出すかと思えば…」
奈都佳は笑いをこらえる
「珍しく、梓が相談してくるから心配してたのになぁ…んで、梓はその男誰だと思うの?」
「……ペットの猫、かなぁ…とか」
「梓がそう思うんなら、そうなんじゃない?」
また笑われると思ったが、案外あっさりしていた
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