濁んだ透明

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「ここで言うのもあれなんだけど」 少し声を潜めた。言いにくいことなんだなと伝わってきた。 「はい」 バレンタインのことかもしれないと覚悟した。 それしか接点がない。 何を言われるのだろうと、 気持ちが不安で満ちていくのを感じて胸が震えた。 「この前のこと告白って、受け取っていいの?」 顔が一気に熱くなった。 小さく頷くだけで精一杯だった。 「まじで?」 「はい」 もう私なんか見ないで欲しかった。 それだけ確認したくて来たというのなら。
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